新生TNE47

日本看護倫理学会第15回年次大会の交流集会にて、休止中のTNE47の活動を再開します。

ご関心のある方の入会をお待ちしています。

第15回年次大会交流集会

交流集会7

 

看護倫理について-緒に考えよう-東海看護倫理検討会TNE47

 

太田勝正1)、伊藤千晴2)、新實夕香理3)、嶋﨑和代3)、籠 玲子4)

1)東都大学 沼津ヒューマンケア学部 2)人間環境大学 看護学部 3)名古屋女子大学 健康科学部 4)愛知県立大学 看護学部

 

東海看護倫理検討会(TNE47)は、愛知県で開催された日本看護倫理学会第7回年次大会を契機に設立された臨床現場の倫理問題を共有し、検討するための検討会である。今回の第15回年次大会を機に活動を再開したいと考え、ここに交流集会を開催する。

今回は2つの話題を提供し、今後の活動の糸口となる意見交換につなげたい。

1)臨床現場での倫理的問題解決に向けた事例検討の方法

今日の臨床現場の特徴である超高齢化社会、疾病構造の変化、医療技術の高度化などに伴って看護職者は様々な倫理的問題に遭遇し、臨床現場では倫理的な判断ができる人材の育成が求められている。その中で各病院においても倫理に関する研修会や倫理的問題を解決するための事例検討会が行われていると聞く。しかし具体的な事例検討会の企画や運営については、まだまだ手探りの状態だと考えられる。交流集会では、事例検討の1つの方法としてJonsenらの症例検討シート(4分割法)展開方法やファシリテーターの役割などを紹介しながら、参加者と現在行っている事例検討会等の課題について意見交換をすることで、より効果的な看護ケアに向けての手がかりを得たいと考える。

2)患者の情報プライバシーについて

情報プライバシーは、自分の私生活に関する情報を誰にどの程度開示するかを自分で決めること、つまり、自己の情報をコントロールできる権利という意味でも使われている。これまでに病院内や地域医療連携における情報共有のあり方について、医療従事者へのインタビューを行ってきた中で、個人情報に対する私たちの意識は二極化しているように感じている。とても敏感に個人情報について反応する人が一部いる一方で、そんなことは全く意に介さない人も多くいる。今日、国は地域包括ケアシステムの構築を推進しており、情報連携が行われることで患者の知られたくない情報までもが容易に共有できてしまう状況にある。「物」の場合は見ただけでは盗まれないが、情報は見られただけでも盗まれたことになる。このため、個人情報の保護としての情報プライバシーへの配慮が重要である。地域医療連携の場における情報連携では、「患者には第三者に知られたくないことがある」ことを私たち看護職が意識しなければ、患者がそれについての意思表示をすることもできないと考える。適切な個人情報の取り扱いを意識化させるための教育のあり方について一緒に考えたい。

これら2つの話題を通じて、臨床現場における課題を共有し、今後のTNE47における検討等に発展させていきたいと考える。